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気が付けば50歳を越えていました。設計という職業に携わってからすでに30年が過ぎました。
学校や病院、マンションから倉庫、事務所ビルや商業施設など経験として様々な建物の設計をしてきましたが、やはり住宅設計が一番楽しいしやりがいがあります。でも一番難しいとも感じています。
住宅と違い一般建築物には明確な目的があります。
学ぶ場所、医療をする場所、物を保管する場所、商品を販売する場所。とにかく明確な目的があり、その目的を最も効果的に達成できる環境にすることが求められます。
それに対して住宅には様々な目的があり、また人や背景によっても違いがあります。施主によっては正解の場合もあれば間違いの場合もあるし、年齢によっても成否が変わることもあります。だからこそ楽しいけど難しいのだと感じています。
僕は若いころ、大規模な建築の設計をする建築家を目指していました。
安藤忠雄さんとか磯崎新さん、前川国男さんなど著名な建築家の建物を見学に行き、いずれこのようなすばらしい建築を世の中に残したいと考えていました。
ところがある時期から住宅というものに非常に興味を抱き始めました。
住まいでは、人が育ち、人が死に、人が暮らす。人生の大半を過ごす場所でもある。
泣いて笑って、たまには落ち込んで、自分や他人に怒り、何かに感動し、そして幸せを感じる場所。
住宅とはそれほど重要な建物なのだと分かり、意識して住宅とはなんぞやと研究、勉強、試行錯誤しはじめたのはいつごろだったかなぁ・・・。
建築の設計者は一級建築士や二級建築士の資格を持っています。
資格自体は試験に合格すれば取得できますが、運転免許証と同様に免許を持っているからといって誰もがサーキットを高速で走れるわけではありません。これは弁護士や医師も同じだと思うし、他の士業免許取得者とて同じなのだろうと思います。
建築士の分野で言えば、デザインを中心に設計をする「意匠設計」、構造計算を主体とする「構造設計」、電気や設備の設計をする「設備設計」、外構やランドスケープのデザインや設計を行う「外構設計」などに分けられます。それに加えて最近では「社会構成」や「人類科学」など建築を通じて社会のことや人類のことを考える役割の設計者が必要になってきました。その役割こそ「建築家」といわれる職種の人なのではないかと考えています。
学校を出て設計事務所で働き独立するのですが、住宅の奥深さや社会に対する影響の大きさを感じ始めたころから、建築そのもの以上に、社会に与える影響や住宅で暮らす人たちの生活について研究するようになりました。
住宅はその地域の気候風土に影響を受けます。またその風土や慣習を形成しているひとつが住宅でもあります。日本に限らず世界中の住宅がそうなんです。寒いシベリア地域の住宅や、石の文化を持つ欧州地域の住宅、亜熱帯地域の住宅などなど、気候や産出される建材によっても住宅のありようが変わります。
国土が狭い日本では南北に長い地形と、太平洋に面していることによる気候の変化によって、それぞれの地域ごとに住まいのつくり方や生活習慣や地域の慣習に違いがあります。また長い歴史の中での民族的な違いもあるのかもしれません。いずれにしても住宅というものを考えるとき、構造や工法、建築材料や住宅設備だけではなく、その地域やそこで暮らす人たちの暮らしをベースとして設計する必要があると思っています。
暮らしは社会生活や社会構造に大きく影響され、また大きく影響を与えます。そんなところまで考えながら住宅を設計する役割こそ、住宅建築家と呼ばれる職種なのではないだろうかと感じています。
自分もそろそろ住宅建築家を名乗ろうと思っています。
それは、それだけの知識や経験が備わったというわけではなく、住宅建築家という役割を担いたいという希望があるから。
住所:埼玉県久喜市
Eメール: info@kurashinococoro.com
活動エリア:日本全国(北は北海道から南は九州沖縄まで)
趣味:一応ゴルフってことで。(歳をとってもできるから)
    旅行も好きです。(国内海外とも)
○ 2014年7月のつぶやき
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○ 2014年9月のつぶやき
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